リスキル機会を拡充 機運醸成へ国民運動も 骨太方針(8/7)
政府は「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針)」を閣議決定し、「強い経済」の実現に向けて、人材育成と賃上げ環境の整備を重点施策に位置付けた。17の戦略分野や医療・福祉・介護などのエッセンシャル分野で人材育成を進めるため、リスキリング機会の拡充や、デジタル技術を活用して高い付加価値を生み出す「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」の育成を推進する。また、産学官が連携してスキルの明確化や教育プログラムの開発、費用負担の軽減、社会人向け奨学金の活用促進などを進めるほか、「全世代型リスキリング国民運動」を展開する。さらに、2029年度までに物価上昇率を年1%程度上回る賃金上昇を社会に定着させることを目標とし、中堅・中小企業の生産性向上や「稼ぐ力」の強化に向けた支援を継続する方針を示した。
■感想
骨太の方針2026では、人材育成と賃上げを一体的に進める姿勢が明確に打ち出されました。今後は、企業にも従業員のリスキリング支援やデジタル人材の育成がこれまで以上に求められることになります。特に中小企業では、助成金などの公的支援を活用しながら教育投資を進めることが、生産性向上や持続的な賃上げにつながる重要な取組みとなるでしょう。また、労働力不足が続く中、人材への投資が企業競争力を左右する時代が一層進むことが期待されます。
「帰宅旅費」非課税化を要望 単身赴任の負担減へ 日建連(8/6)
日本建設業連合会(日建連)は、2027年度税制改正要望として、単身赴任者へ支給する帰宅旅費の非課税化を新たに盛り込んだ。現行制度では、帰宅旅費は給与所得として課税されるため、単身赴任者は自宅通勤者より税負担が重くなる場合がある。日建連は、災害復旧やインフラ整備を担う建設業では単身赴任が避けられないケースが多く、経済的・精神的負担の軽減が人材確保につながると訴えている。調査では、既婚者の26.9%、現場技術者では41.0%、土木分野では48.9%が単身赴任をしており、不安・不満として「生活費の増加」が54.8%、「家族とのコミュニケーション減少」が40.4%、「帰宅旅費支給による税負担増」が23.2%を占めた。また、建設業退職金共済制度の掛金上限を現行の日額800円から1,000円以上へ引き上げることも要望している。
■感想
建設業では、工事現場の都合から単身赴任が避けられない職種も多く、人材確保や定着の観点から負担軽減は重要な課題です。帰宅旅費への課税は、家族と過ごすための費用にも税負担が生じることから、現場では以前から見直しを求める声が上がっていました。人手不足が深刻化する中、待遇改善や福利厚生の充実は若年層の入職促進にもつながるため、今後の税制改正の動向が注目されます。また、企業においても、単身赴任者への支援制度を見直し、働きやすい環境づくりを進めることが重要です。
店舗でTシャツ ジーンズ勤務へ まいばすけっと(8/5)
まいばすけっと㈱は、店舗従業員の身だしなみ規定を見直し、Tシャツやジーンズでの勤務を認める運用を開始した。従業員の多様性を尊重するとともに、よりフレンドリーな接客の実現を目的としている。あわせて、ネイルや整えられたひげ、大ぶりでないピアスやネックレスの着用も認めた。また、制服として貸与しているエプロンは引き続き着用する一方、従来着用していた三角巾は不要とするなど、身だしなみ基準を柔軟化している。
■感想
近年は、人材確保や多様な働き方への対応を背景に、身だしなみ規定を見直す企業が増えています。従業員の個性や価値観を尊重することは、働きやすさや採用力の向上にもつながる一方で、業種や職務内容に応じた衛生面や安全面への配慮も欠かせません。企業が身だしなみ規定を見直す際は、顧客への印象や業務上の必要性とのバランスを考慮し、自社に適したルールを整備することが重要です。
適正原価告示へ議論がスタート 国交省(8/4)
国土交通省は、改正トラック法に基づく「適正原価」の設定に向け、有識者会議を設置し議論を開始した。第1回会合では、具体的な金額ではなく、適正原価を算定するための算定式の案が示され、2026年内の取りまとめを目指して検討が進められる。改正トラック法は2025年6月に成立・公布されており、施行後はトラック運送事業者に対し、自社で運送する場合だけでなく他の事業者へ委託する場合も、継続して適正原価を下回る運賃・料金で運送を行わないことが義務付けられる。適正原価に関する規定は、公布から3年以内に施行される予定である。
■感想
物流業界では、燃料費や人件費の上昇、2024年問題への対応などを背景に、適正な運賃・料金の確保が重要な課題となっています。今回の制度では、適正原価を下回る価格での運送を継続的に行わないことが法的な義務となるため、運送事業者だけでなく荷主企業にも大きな影響が及ぶことが予想されます。今後公表される算定方法や制度の詳細を注視し、適正な取引価格の実現に向けた準備を進めることが重要となるでしょう。
AIが言葉選び提案 性格や相性踏まえ面談 NTT東日本(2026/8/3)
NTT東日本は、約3万人の社員を対象に性格特性や心理状態を把握するサーベイを実施し、AIを活用して1on1面談の質を高める仕組みを構築した。目標管理やキャリア形成支援の面談では、部下の性格や上司との相性を踏まえ、AIがハラスメントにつながらない言葉選びや、受講を勧める研修などを提案する。また、年間目標やサーベイ結果に加え、面談内容をリアルタイムで記録・蓄積し、AIが上司の助言や指導を支援する。将来的にはデータをビッグデータ化し、組織・チーム単位でのエンゲージメントの把握や組織課題の早期発見にも活用する方針である。
■感想
AIの活用は採用や業務効率化だけでなく、人材育成やマネジメントの分野にも広がっています。今回の取組みでは、面談時の言葉選びやコミュニケーションをAIが支援することで、ハラスメントの防止や部下の成長支援につなげようとしている点が特徴です。今後は、AIを「判断する存在」ではなく、「管理職の対話を支援するツール」として活用し、人とAIがそれぞれの強みを生かした人材マネジメントが一層進んでいくことが期待されます。