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社会保険労務士が解説するカスハラ対策の実務

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社会保険労務士が解説するカスハラ対策の実務

社会保険労務士が解説するカスハラ対策の実務

2026/05/06

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策は、2026年10月1日から全国の事業主に義務化されます。社会保険労務士の視点から、近年問題視されているカスタマーハラスメント(カスハラ)への具体的な対策を解説します。カスハラは企業や従業員に深刻な影響を及ぼし、職場環境の悪化や労働者の心理的負担増加を招くことが多くあります。本ブログでは、法律や労務管理の観点を踏まえ、実務で活用できる事例や対応策を詳しく紹介。社会保険労務士としての専門知識を基に、企業が安全で働きやすい職場づくりを進めるために必要なポイントをわかりやすくまとめました。カスハラに悩む事業主、人事担当者、従業員に役立つ情報を提供し、問題の早期発見と適切な対応に寄与することを目指します。

目次

    社労士が解説する職場ハラスメント対策

    カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラは、顧客や取引先からの暴言、威圧的な言動、過剰要求、長時間拘束などにより、従業員の就業環境が害される問題です。従来は「お客様対応の一部」として現場任せにされがちでした。しかし現在は、企業が従業員を守る体制を整えるべき労務管理上の重要課題になっています。

    厚生労働省もカスハラ対策について、企業が事前準備や発生時対応を行うためのマニュアル等を公表しており、さらに令和7年の法改正により、カスタマーハラスメント対策は事業主の義務となる方向が明確になっています。

    なぜ今、カスハラ対策が急務なのか

    理由は大きく3つあります。

    1つ目は、従業員のメンタル不調や離職につながることです。
    理不尽なクレームや暴言を現場だけで受け止めさせると、従業員は「会社は守ってくれない」と感じます。これは職場への信頼低下に直結します。

    2つ目は、採用への影響です。
    今は、働く側が職場環境を厳しく見ています。カスハラを放置する会社は、従業員からも求職者からも選ばれにくくなります。

    3つ目は、法的リスクです。
    会社がカスハラ被害を把握しながら放置した場合、安全配慮義務違反や使用者責任が問われる可能性があります。特に、相談があったのに調査しない、現場任せにする、再発防止策を講じない対応は危険です。

     

    東京都では、令和7年4月1日からカスタマー・ハラスメント防止条例が施行され、事業者にも防止のための必要な措置を行う努力義務が示されています。

    カスハラと正当なクレームは違う

    ここで重要なのは、すべてのクレームがカスハラではないという点です。

    商品やサービスに問題があり、顧客が改善を求めること自体は正当な申出です。
    一方で、次のような行為はカスハラとして対応を検討すべきです。

    ・人格を否定する暴言
    ・土下座や過度な謝罪の要求
    ・長時間の拘束
    ・担当者個人への執拗な連絡
    ・SNS投稿をちらつかせた脅迫的要求
    ・合理性のない金品や特別対応の要求

    実務上大切なのは、「お客様だから仕方ない」で終わらせないことです。
    会社として、どこまでが通常対応で、どこからが対応を制限すべき行為なのかを明確にしておく必要があります。

    カスハラ対策で会社が整えるべきこと

    社労士の視点では、カスハラ対策は次の4点を整えることが重要です。

    1. 会社の方針を明確にする

    まず、「従業員を守る」という会社の姿勢を明文化します。
    カスハラを許容しない方針を社内外に示すことで、現場の従業員が安心して対応できます。

     

    2. 対応マニュアルを作る

    現場が迷わないように、初期対応、上司への報告基準、対応打切りの判断、警察・弁護士への連携基準を整理します。マニュアルがない会社では、担当者ごとに対応がバラつきます。その結果、従業員が抱え込み、問題が大きくなります。

     

    3. 相談・報告体制を整える

    カスハラは、被害を受けた従業員が「自分の対応が悪かったのでは」と抱え込むことがあります。
    そのため、相談窓口を設置するだけでなく、相談してよい問題であることを周知する必要があります。

     

    4. 記録を残す

    発言内容、日時、対応者、要求内容、会社の対応を記録します。
    記録がなければ、後から会社として適切に対応したことを説明できません。

    ビジネスネーム制度も有効な選択肢

    近年は、従業員の氏名がSNS等で晒されるリスクもあります。そのため、接客業、コールセンター、医療・介護、店舗業務などでは、ビジネスネーム制度の導入も検討に値します。ただし、単に名前を変えればよいわけではありません。社内管理上の本人確認、給与・社会保険手続き、名札・メール・顧客対応記録との整合性など、制度設計を誤ると別の混乱を招きます。カスハラ対策は、現場対応だけでなく、人事労務制度として設計する必要があります。

    まとめ:従業員を守る会社が、これから選ばれる

    カスハラ対策は、単なるクレーム対応ではありません。
    従業員の安全、定着率、採用力、企業イメージに直結する経営課題です。

    ①「現場で何とかしている」
    ②「大きな問題になっていない」
    ③「相談がないから大丈夫」

    そう考えている会社ほど、リスクが表面化したときに対応が遅れます。

     

    大切なのは、問題が起きてから慌てることではなく、事前に会社としての方針・ルール・相談体制を整えておくことです。

    ご相談のご案内

    当事務所では、カスハラ対策について、

    ・対応方針の作成
    ・就業規則、服務規律の整備
    ・相談窓口、報告フローの設計
    ・管理職向け対応研修
    ・ビジネスネーム制度導入支援

    など、実務に即したサポートを行っています。

     

    特に、日常的な判断に迷う場面が多い企業様には、相談顧問として継続的に伴走することをおすすめしています。

    【お勧めコース:相談顧問】
    月額:15,000円+税
    ネット相談:回数無制限
    電話・Zoom・来所面談:月3回まで
    ※訪問対応は別途、交通費実費+1時間15,000円+税

     

    カスハラ対策は、「何か起きてから」ではなく、「まだ大きな問題になっていない今」こそ整えるべきテーマです。自社の体制に不安がある場合は、一度ご相談ください。

    カスタマーハラスメント(カスハラ)対策義務化

    カスタマーハラスメント(カスハラ)対策は、 2026年10月1日から全国の事業主に義務化されます。
    根拠となるのは、2025年6月に改正された「労働施策総合推進法」です。
    この改正により、企業には以下のような「雇用管理上の措置」が求められることになります。 カスハラ防止方針の明確化 相談窓口の設置 従業員への研修・周知 発生時の迅速な対応体制 被害者保護・再発防止措置 これは、従来のパワハラ防止措置義務と同じ位置づけです。 また、東京都では全国に先行して、 2025年4月1日から「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されています。

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