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熱中症対策

熱中症対策

2026/06/13

法改正で義務化された企業の責任と、見落とされがちな「見えない不調」への対策

 今年も本格的な暑さの季節が近づいてきました。 熱中症対策というと、「こまめに水分補給をしましょう」「無理をしないようにしましょう」といった呼びかけが一般的ですが、実はそのレベルでは十分ではないことが明らかになっています。

 厚生労働省によると、2025年の職場における熱中症の死傷者数は1,681人と過去最多を記録し、死亡者も15人に上りました。こうした状況を受け、2025年6月には労働安全衛生規則が改正され、熱中症の重篤化を防ぐための対策が企業の「義務」となりました。 改正内容では、WBGT(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境で一定時間以上作業する場合、企業は ・体調不良時の報告体制の整備 ・異常発生時の対応手順の策定と周知 を行わなければなりません。

 特に注目したいのは、多くの熱中症死亡災害で「初期対応の遅れ」が発生していたという事実です。体調不良を申告しにくい職場環境や、対応手順が周知されていなかったことが重篤化につながっていました。 さらに、熱中症だけが夏のリスクではありません。 資料では、脱水や睡眠不足による「見えない不調」にも警鐘を鳴らしています。わずかな脱水でも集中力や判断力は低下し、熱帯夜による睡眠不足はヒューマンエラーや労働災害のリスクを高めることが指摘されています。 つまり、「倒れるほどではないから大丈夫」ではなく、気付かないうちに生産性が落ちている可能性があるのです。 また、近年増えているデリバリー弁当についても注意が必要です。夏場は食品の常温放置による食中毒リスクが高まるため、「届いたらすぐ食べる」「食べない場合は冷蔵保存する」といったルールづくりも重要になります。

 人手不足が深刻化する中、従業員の健康管理は単なる福利厚生ではなく、企業経営そのものに直結する課題になっています。 熱中症対策というと屋外作業をイメージしがちですが、実際にはオフィスでも脱水や睡眠不足によるパフォーマンス低下は起こります。

今年の夏は、「気を付けてください」という精神論ではなく、

・暑さ指数(WBGT)の把握
・水分補給のルール化 ・休憩の確保
・睡眠衛生の啓発 ・緊急時対応の周知

といった具体的な仕組みづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。 従業員の健康を守ることは、結果として企業の生産性と持続的な成長を守ることにつながります。今こそ、熱中症対策を「個人任せ」から「組織の仕組み」へ変える時期なのかもしれません。 

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