SkyBlue社会保険労務士法人

労基法の明示義務とその重要性

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労基法の明示義務とその重要性

労基法の明示義務とその重要性

2024/10/05

こんにちは。

本日は、弊所事務所ビルの隣にある小学校で運動がありました。小学生の元気な声は私にも元気を届けてくれました。今日は気温もそれほど高く無く、晴天に恵まれ最高の運動会日和です。運動会では『宇宙戦艦ヤマト』のテーマソングが流れていて、自分の小学校時代の懐かしい記憶を振り返ることができました。さて、先日慶応大学に「労基法の明示違反」の是正勧告が出されました。今回は労基法第15条1項の「労働条件明示義務」について考えたいと思います。

労働基準法は、労働者の権利を守るための重要な法律であり、その中でも「明示義務」は特に重要な要素です。本ブログでは、労基法の明示義務の内容とその重要性について詳しく解説します。明示義務とは、雇用契約の際に労働条件を明確に示すことを求めるもので、労働者が自身の権利と義務を理解するために不可欠なステップです。特に、社会保険労務士としての立場から見ると、この義務を遵守することは、企業にとっても法令遵守の観点から極めて重要です。適切な情報提供がなされない場合、労働者の不安や不満を招き、ひいては労働環境の悪化を招くリスクがあります。労働基準法の明示義務について詳しく学び、その意義を再確認しましょう。

目次

    労働者の権利を守る – 明示義務の重要性に迫る

    労働基準法の明示義務は、労働者が適切な労働条件を把握し、その権利を保護するための基盤となります。具体的には、雇用契約を締結する際に、賃金、労働時間、業務内容、休日などの労働条件を詳細に示すことが求められます。この義務を果たさない場合、労働者は自身の権利が侵害される危険性が高まります。例えば、賃金の不払い、過重労働、労働条件の変更についての情報不足などが挙げられます。 また、企業にとっても明示義務を遵守することは重要です。法令遵守の観点から、労基法に基づく労働条件の明示は、企業の信頼性を向上させ、労働環境を整備することにつながります。良好な労働環境は、社員のモチベーションを高めるだけでなく、離職率の低下や生産性の向上にも寄与します。労働基準法の明示義務は、労働者の権利を守るための重要な要素であり、企業自身にも多くのメリットをもたらすのです。

    雇用契約のカギ – 明示義務とは何か?

    労働基準法における明示義務は、雇用契約を結ぶ際に労働条件を明確に示すことを求める重要な要素です。この義務により、労働者は自分の権利や義務を理解し、雇用契約の内容に対して充分な情報を得ることができます。具体的には、労働時間や休日、賃金、職務内容、解雇の条件などが含まれます。 明示義務を遵守することで、企業は法令遵守を果たし、労働者との信頼関係を築くことが可能です。また、不適切な情報提供は労働者の不安や不満を生み出し、労働環境の悪化につながるリスクがあります。社会保険労務士としては、企業がこの義務をしっかりと守ることが、長期的な視点で見たときに経営の安定化にも寄与することを強調したいです。労働基準法の明示義務について正しい知識を持ち、労働者の権利を守ることが、職場の健全な環境づくりにつながります。

    企業が知っておくべき法令遵守のポイント

    労働基準法の明示義務は、雇用契約において労働条件を明確に示すことを求めるもので、労働者が自らの権利と義務を理解する上で欠かせない要素です。この義務には、就業時間、賃金、休暇など、労働者が知っておくべき重要な情報が含まれています。そのため、企業はこれらの情報を正確かつ十分に提供することが求められます。社会保険労務士としての役割から見ると、明示義務を遵守することで、企業は法令遵守を実現し、労働者の信頼を獲得することができます。逆に、明示義務が軽視されると、労働者の不安や不満が高まり、職場環境が悪化する恐れがあります。信頼できる職場を築くために、企業が明示義務を理解し、実行することは非常に重要です。この機会に、労働基準法の明示義務について改めて考えてみましょう。

    明示義務を怠った結果 – 労働環境が悪化するリスク

    労働基準法における明示義務は、雇用契約を結ぶ際に労働条件を明確に示すことを目的としています。この制度が存在する背景には、労働者が自身の権利を理解し、適正な労働環境で働くことを促進する目的があります。しかし、この明示義務を怠ると、労働者の不安や不満を引き起こす可能性が高まります。たとえば、労働条件が不明瞭なまま働くことで、労働者は自らの権利を行使できなくなる危険性があります。これにより、労働環境が劣悪化し、生産性の低下や離職率の上昇が懸念されます。 したがって、企業は明示義務を遵守し、労働者に対して必要な情報を正確に提供する責任があります。これにより、信頼関係を築き、労働環境を改善することが可能です。労働基準法の明示義務の理解と実践は、企業の持続的成長にとって欠かせない要素と言えるでしょう。

    労働基準法を理解する – 明示義務の意義とは

    労働基準法における明示義務は、雇用契約を結ぶ際に労働条件を明確に提示することを義務付けています。この義務は、労働者が自身の権利と義務を理解するために不可欠です。具体的には、労働時間、賃金、休日、休暇などの重要な条件が含まれます。明示義務を守ることで、労働者は自分がどのような条件で働くのかを理解し、安心して業務に取り組むことができます。また、社会保険労務士としての観点からも、企業がこの義務を遵守することは法令遵守に直結します。労働条件に関する情報が不足すると、労働者の不安や不満が募り、最終的には労働環境の悪化につながる可能性があります。企業は、明示義務を積極的に履行し、透明性のある労働環境を整えることで、労働者との信頼関係を築くことが重要です。

    社会保険労務士が語る – 明示義務と企業の責任

    労働基準法の明示義務は、企業が労働者に対して労働条件を明確に示すことを義務付ける重要な規定です。この義務は、労働契約の締結時において労働者が自身の権利や義務を正しく理解できるようにするためのものです。具体的には、労働時間、賃金、勤務地、休暇など、労働条件に関する詳細な情報を提供しなければなりません。これにより、労働者は自らの就業環境を把握し、労働に対する期待をもつことが可能になります。 社会保険労務士としては、この明示義務の遵守が企業の法令遵守に直結することを強調したいと思います。明示義務を怠ると、労働者の不安が募り、その結果、職場のモラルや生産性が低下する危険があります。また、法的なトラブルを避けるためにも、企業は明示義務を正確に果たすことが求められます。このブログでは、明示義務について詳しく学び、企業の責任を再認識する機会にしましょう。

    トラブルを未然に防ぐために – 明示義務の徹底理解

    労働基準法における「明示義務」は、雇用契約を結ぶ際に労働条件を明確に示すことを求める重要な規定です。これにより、労働者は自身の権利や義務を正しく理解し、自らの労働環境を適切に把握することができます。具体的には、労働時間、賃金、仕事の内容、休暇制度などが明示される必要があります。社会保険労務士としては、企業がこの明示義務を遵守しない場合、労働者との信頼関係が損なわれる可能性が高いと考えています。情報提供が不十分だと、労働者の不安や不満を引き起こし、結果的に労働環境の悪化へとつながります。したがって、企業は明示義務を徹底的に理解し、適切な情報を提供することが必要です。これによりトラブルを未然に防ぎ、健全な労働環境を維持することが可能になります。労働基準法の理念を学び、明示義務の重要性を再認識しましょう。

    労基署が慶応大に是正勧告、労基法の明示義務とは


    慶応大学が准教授と労働契約を締結する際に、労働条件を書面で明示せず、労働時間管理も怠っていたとして藤沢労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかりました。大学は勧告を受け、既に是正したとのことです。今回は労基法が定める労働条件明示義務について見ていきます。


     事案の概要  
    慶応大は2020年に湘南藤沢キャンパスの教員として採用した40代の女性准教授に対し、労基法で明示が義務付けられている就業時間や休日、賃金支払いの方法などを書面に記載していたかったとされます。またタイムカードなど客観的な記録での労働時間の把握も怠っていたとして労基署は指導標を交付したとのことです。女性は10年単位のプロジェクトに向けて採用されたとして長期雇用を期待したが、3年で雇い止めされているとされます。なお同女性が労働契約上の地位確認と未払残業代などの支払いを求めた訴訟が横浜地裁で係属中とのことです。 


     労働条件明示義務とは  
    労働基準法15条1項によりますと、使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないとしております。賃金や労働時間その他の明示事項については厚労省令によるとされ(同後段)、明示された労働条件が事実と異なる場合には、労働者は即時に労働契約を解除することができ(同条2項)、その場合には就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費を負担しなければならないとされております(同3項)。労働条件の具体的な内容を明確に示しておくことによって、労働者が安心して働ける環境を整えることが目的とされます。またこの労働条件明示義務に関しては労基法の法改正が入っており、今年4月から施行されております。
     
    具体的な明示内容  
    労基法15条が義務付ける明示事項は労基法施行規則5条1項に規定されており、具体的な明示事項は以下の通りです。 
    (1)労働契約の期間に関する事項 
    (2)有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間、更新回数の上限を含む) 
    (3)就業場所および従事すべき業務に関する事項(就業場所および業務内容の変更範囲を含む) 
    (4)始業及び就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇等に関する事項 
    (5)賃金の決定、計算および支払い方法、賃金の締切および支払時期、昇給に関する事項 
    (6)退職に関する事項 
    (7)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算、支払い方法、支払時期に関する事項 
    (8)臨時に支払われる賃金、賞与、最低賃金額に関する事項 
    (9)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項 
    (10)安全および衛生に関する事項 
    (11)職業訓練に関する事項
    (12)災害補償および業務外の傷病扶助に関する事項 
    (13)表彰および制裁に関する事項 
    (14)休職に関する事項 
    (15)無期転換申込に関する事項および無期転換後の労働条件


     明示時期と違反した場合  
    それでは労働条件の明示はいつする必要があるのでしょうか。労基法15条1項には「労働契約の締結」の際に明示することが義務付けられております。そして厚労省通達では採用内定を出した時点で明示すべきことが示されております(厚労省平成29年12月20日基発1220第1号)。また有期雇用の際には採用時だけでなく、契約を更新する際にも更新後の労働条件を明示することが必要です。これは定年後再雇用の場合も同様で、再雇用する際に再雇用後の労働条件を明示することとなります。なお自社を在籍させたまま他社に出向させる場合は、出向先は受け入れの際にこの労働条件の明示義務が発生するとされております。これら労働条件の明示義務に違反した場合、30万円以下の罰金が規定されております(120条1号)。


     コメント  
    本件で慶応大は教員として准教授を採用する際に、労働契約書面に就業時間や休日、賃金支払い方法などの事項を記載していなかったとされます。これらは労基法施行規則に列挙された明示事項であり、労基法15条に違反することとなります。またタイムカードなどによる客観的な記録での勤怠状況の把握も怠っていたとのことです。以上のように労基法では採用時や契約更新時などに労働条件を明示することを義務付けております。その明示事項は上記のようにかなり詳細となっております。この明示事項のうち、就業場所と業務変更の範囲、有期労働契約の通算契約期間または更新回数上限、無期転換申込と転換後の労働条件については今年施行された令和4年改正法によるものとなっております。社内の正規・非正規、また定年後再雇用それぞれの従業員について、これらの明示事項が守られているか、確認しなおしておくことが重要と言えるでしょう。

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