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男性育休は“特別な制度”ではない

人材確保の時代に企業が問われる「育児と仕事の両立支援」

2026/06/01

“取れる制度”から“取れる職場”へ

男性の育児休業取得が、少しずつ当たり前になり始めています。 近年は法改正も進み、企業には男性育休取得状況の公表義務や個別周知・意向確認義務などが課されるようになりました。さらに自治体による支援策も拡充されています。 たとえば栃木県では、男性従業員に1カ月以上の育児休業を取得させた中小企業に対し、最大50万円の奨励金を支給する制度を開始しました。短期間ではなく、“長期取得”を後押しする流れが強まっています。 背景にあるのは、深刻な人材確保競争です。 特に若い世代では、「給与」だけではなく、「働きやすさ」や「家庭との両立」が企業選びの大きな基準になっています。男性育休を取りやすい企業かどうかは、採用力や定着率にも直結する時代になりました。

一方で、中小企業では、 「代替要員がいない」 「現場が回らない」 「前例がない」 といった理由から、取得が進まないケースも少なくありません。 しかし実際には、“制度があるだけ”では取得率は上がりません。 重要なのは、「取得しても評価が下がらない」「周囲がフォローし合える」という職場風土です。 男性育休が進まない職場では、 上司が制度を理解していない 、取得者への否定的な空気がある 、業務の属人化が進んでいる 、引継ぎ体制が整備されていない といった課題が見られます。 逆に言えば、男性育休への対応は、組織運営の課題を見直す機会にもなります。 業務の見える化やマニュアル整備、多能工化を進めることで、「誰かが休めない職場」から「誰でもフォローできる職場」へ変わるきっかけにもなるのです。 また、育児に積極的に関わる男性社員は、時間管理意識や生産性が向上するケースも多く、結果として働き方改革にもつながります。

これからは、“育休を取るかどうか”ではなく、“安心して取れる環境があるかどうか”が企業に問われます。 人手不足時代だからこそ、「休める会社」が選ばれる時代。 男性育休への取組みは、福利厚生ではなく、これからの経営戦略の一つと言えるのではないでしょうか。

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