無料だから大丈夫? フリーランス法違反で勧告された事例から学ぶ企業の注意点
2026/06/10
フリーランス活用時代に企業が見直すべき契約と報酬のルール
2024年11月に施行されたフリーランス法ですが、企業に対する監督や指導が徐々に本格化しています。
先日、公正取引委員会は音楽教室を運営する企業に対し、フリーランス法に基づく勧告を行いました。
報道によると、同社は無料の体験レッスンを実施する際、レッスンを担当したフリーランス講師1674人に対して報酬を支払っていなかったとされています。
公正取引委員会は、体験レッスンに相当する対価を速やかに支払うよう求めるとともに、再発防止策の実施を要請しました。
今回の事案で注目したいのは、「無料体験」という名称であっても、講師側が実際に役務を提供している以上、対価の支払いが必要と判断された点です。
企業側としては、「集客のための体験レッスンだから」「本契約前のお試しだから」という認識だったかもしれません。しかし、フリーランス法では、業務を委託して役務の提供を受ける以上、適正な対価の支払いが求められます。
これは音楽教室や教育業界だけの話ではありません。例えば、
ホームページ制作を依頼しているフリーランス、 業務委託契約の講師やコンサルタント 、デザイナーやライター、 ITエンジニア、 SNS運用担当者
など、多くの企業でフリーランスとの取引が行われています。
その中で、
「試作品だから無償」
「研修期間だから報酬なし」
「営業活動だから支払わない」
といった運用が行われていないか、一度確認する必要があります。
近年は人材不足を背景に、フリーランスや副業人材を活用する企業が増えています。
一方で、法令整備も進み、企業には適正な取引とコンプライアンスが求められる時代になりました。今回の勧告は、一部の特殊な業界だけの問題ではありません。今後はさまざまな業種でフリーランス法違反に対する調査や指導が行われる可能性があります。
フリーランスとの取引がある企業は、契約内容や報酬の支払い方法、業務委託の運用ルールなどを改めて見直しておくことが大切です。
「知らなかった」では済まされない時代になっています。法令遵守はもちろん、企業の信頼を守るためにも、適正な取引環境の整備を進めていきたいものです。
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