男性育休
2026/06/11
育児休業への理解不足が企業リスクになる時代へ
近年、男性の育児休業取得が増加しています。
政府も男性育休の取得促進を進めており、多くの企業で制度整備が進められています。しかし、制度を整えるだけでは十分ではありません。職場の理解や風土づくりも同様に重要です。
そんな中、東京地方裁判所は、育児休業を取得した従業員に対する同僚の言動について、いわゆる「パタニティハラスメント(パタハラ)」に当たるとして、院長と同僚に損害賠償を命じる判決を下しました。
問題となったのは、育児休業を取得した従業員に対して送られた「無責任」「自分と家族のことだけ考えている」「自己中心的だ」などのメッセージです。
裁判所は、これらの発言が育児休業という法律で認められた権利の行使を非難するものであり、人格的利益を侵害する不法行為に当たると判断しました。
さらに注目すべき点は、メッセージのやり取りが勤務時間外に行われていたにもかかわらず、業務に密接に関連する内容であるとして、使用者である院長の責任も認められたことです。
企業の中には、「個人同士のやり取りだから会社には関係ない」「勤務時間外だから問題ない」と考えるケースもあるかもしれません。しかし今回の判決は、そのような考え方が通用しない可能性を示しています。
育児・介護休業法では、育児休業の取得を理由とする不利益な取扱いは禁止されています。また、事業主にはハラスメント防止措置を講じる義務があります。
人手不足が深刻化する中、育児と仕事の両立支援は人材確保・人材定着の観点からも重要な経営課題です。
男性育休を取得する従業員が増えるこれからの時代は、「制度があること」ではなく、「安心して利用できること」が企業に求められます。
管理職やベテラン社員への研修、社内ルールの周知、相談体制の整備などを通じて、誰もが働きやすい職場環境を整備していくことが大切です。
今回の判決は、男性育休に対する何気ない一言が会社の法的リスクにつながることを示した事例といえるでしょう。
これからの企業経営では、制度整備だけでなく、職場風土の改善にも積極的に取り組むことが求められています。
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