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労働事件の和解における「解決金」と税務上の留意点

労働事件の和解における「解決金」と税務上の留意点

2026/07/21

「解決金」の税務上の注意点を解説

 労働審判や訴訟、あっせんなどの労働紛争では、最終的に「解決金」を支払って和解するケースが少なくありません。 しかし、この解決金はすべて同じ税務上の取扱いになるわけではありません。 和解書の内容によっては、 給与所得 、退職所得 、損害賠償金 など、税務上の扱いが異なり、源泉所得税の要否や企業の事務処理にも影響します。

 今回は、企業が知っておきたい「解決金」と税務上の留意点について解説します。

解決金の性質で税務上の取扱いが変わる

 「解決金」という名称だけでは税務上の判断はできません。 重要なのは、 何に対して支払われるお金なのか という実質です。 例えば、 未払い賃金の支払い、 解雇予告手当 、未払い残業代 、退職に伴う解決金 、慰謝料・精神的損害への賠償 では、それぞれ税務上の取扱いが異なる可能性があります。

未払い賃金・残業代は給与として扱われる

 和解金の中に、 未払い残業代 、未払い賃金 、賃金の補填 が含まれている場合は、原則として給与所得となります。 企業は、 源泉所得税、 年末調整、 法定調書 などの処理についても確認が必要になります。

慰謝料は非課税となる場合も

 一方、 人格権侵害などに対する精神的苦痛への慰謝料については、一定の場合には非課税となることがあります。 ただし、 「慰謝料」と記載すれば必ず非課税になるわけではありません。 税務上は、和解の経緯や支払いの趣旨などを総合的に判断します。

和解書の書き方が重要

 税務上の取扱いは、 和解書にどのような内容を記載するか によっても影響を受けます。 例えば、 解決金の内訳、 支払い目的、 未払い賃金との区分 、損害賠償との区分 などを整理しておくことが重要です。 曖昧な表現では、後から税務上の判断に影響する可能性があります。

労務・税務・法務の連携が必要

 労働事件の和解では、 労働法 、民法 、税法 が関係します。 そのため、 弁護士、 社労士、 税理士 が連携して対応することが、企業にとって大きなリスク回避につながります。

社労士からのワンポイントアドバイス

 労働紛争では、「早期解決」を優先するあまり、和解書の文言や支払金額の内訳を十分に整理しないまま合意してしまうケースがあります。 しかし、和解後には給与としての源泉徴収や社会保険・労働保険への影響、税務処理など、さまざまな実務が発生します。特に未払い賃金や未払い残業代を含む場合は、給与としての取扱いが必要になることがあるため注意が必要です。

 社労士は労務管理や労働法の観点から、税理士は税務処理の観点から助言を行う専門家です。和解を進める際は、それぞれの専門家と連携し、内容を十分に確認したうえで合意することが重要です。

まとめ

 労働事件における「解決金」は、その名称ではなく支払いの実質的な内容によって税務上の取扱いが異なります。 未払い賃金や残業代であれば給与所得として扱われることが多く、慰謝料などは一定の条件で非課税となる場合があります。 企業は、和解書の内容を慎重に検討し、労務・法務・税務の各専門家と連携しながら対応することで、後日のトラブルを防ぐことができます。

※本記事は労務管理の観点から一般的な内容を解説したものです。個別の税務上の取扱いは事案ごとに異なるため、具体的な判断については税理士等の専門家へご相談ください。

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