教育訓練休暇 就業規則に定め必要 新給付金の受給で 厚労省・改正雇保法関連省令案(2025/1/23)
厚生労働省は、改正雇用保険法により10月に創設される教育訓練休暇給付金を巡り、省令に盛り込む内容の案を労働政策審議会の部会に示した。同給付金は、被保険者期間5年以上の労働者が無給の教育訓練休暇を取得した場合に支給するもの。対象となる休暇は、就業規則などで設けた制度に基づく休暇で、労働者が自発的に取得を申し出て、事業主が承認したものに限るとした。解雇が予定されている労働者は対象から除くとしている。
雇用保険制度では、労働者が自発的に教育訓練に専念するために仕事から離れる場合に、その期間中の生活費を支援する仕組みがなかった。労働者の主体的な能力開発を一層支援するため、10月から、同給付金制度を施行する。
改正法では、被保険者期間が5年以上あり、休暇開始前の2年間においても12カ月以上の被保険者期間があることなどを支給要件としている。給付金額は、離職時に支給される基本手当と同額で、休暇開始日から1年間における休暇取得日について支給する。
給付日数は、被保険者期間に応じて90日、120日、150日のいずれかとなる。給付を受けると、休暇開始前の被保険者期間は、基本手当の受給資格決定の算定期間から除かれる。ただし、解雇や事業所の閉鎖などにより、休暇終了から6カ月以内に離職した労働者の場合は、休暇開始前の期間も算定期間に含める。
省令案によると、対象となる休暇は、労働協約や就業規則などによって設けられた制度に基づくものに限定する。労働者が自発的に取得を事業主に申し出て承認された休暇であることも求める。教育訓練は、初日から最終日までの期間が30日以上あるものが対象。教育訓練の質の水準を担保するため、実施機関は原則として、学校基本法に基づく大学、大学院、短大など、または教育訓練給付の講座指定を受けている法人に限る。
事業主が解雇などを予定している労働者については、同休暇の申出を行う被保険者として認めない方向だ。事業主による手続きの際に、解雇などの予定の有無を申告させるとした。虚偽申告した場合は罰則の対象になることを明示する。
給付金手続きに当たっては、労働者から受給の意思表示を受けた事業者が、事業所を管轄するハローワークに対し、休暇期間と賃金支払い状況などを届け出る必要があるとした。届出に基づいてハローワークが賃金支払い状況などを確認し、その結果を事業主経由で労働者に通知する。
その後、労働者がハローワークに支給申請を行い、受給資格の決定を受ける。さらに、30日ごとにハローワークへ休暇取得を申告し、認定を受けることで、給付金を受給できる。